円頓寺商店街の路地裏を歩き始めたのは、物心つく前からでした。祖母がこの商店街で下宿屋を営んでいて、私は学校帰りにいつもこの道を通っていたんです。喫茶まつばのマスターも、四間道の蔵の管理人さんも、みんな顔見知り。観光客としてではなく、「花ちゃんの知り合い」として迎えてもらえる関係を、いまも大切にしています。
ガイドとして大切にしているのは、説明しすぎないこと。円頓寺の朝の匂いも、四間道の石畳の感触も、言葉より先に感じてもらいたい。だからこそ、歩くペースはいつもゲストに合わせます。急かさない。立ち止まりたいときは、いくらでも立ち止まる。それが、私がこの仕事を続けている理由です。